小ネタ 2007-006

USBラジオ「RadioSHARK2」を調べる  (+初代RadioSHARKが改造できた)

USBラジオ「RadioSHARK」の後継機の「RadioSHARK2」を入手した。初代RadioSHARKは以前に調べている。


1. RadioSHARK2の特徴

 
 RadioSHARK初代と比較
・筐体の色が黒に変わった
・FMラジオの周波数の対応範囲が広くなったため、日本でも使える仕様になった
・しかし、相変わらずWindows版のソフトが良くないので、Windows用の付属のソフトだとFMの周波数範囲が初代と一緒で狭いまま。
 実行ファイルのフォルダ内のiniファイルを書き換えると、ちゃんと全部の周波数で選曲できるので、ソフトの不具合だと思われる。

 あるいは、RadioSHARK2用の選曲用のフリーソフト等を組み合わせて使えばいちおう使い物にはなりそうだ。



2. RadioSHARK2の中

 初代と比べてどう変わったのか調べたかったので、フタを開けてみた。
 
 フタを開けたところの写真
 筐体の中のレイアウトは初代と一緒で、ほとんどがアンテナである。あとは回路基板が入っている。

 
 基板の表側の写真。 裏側にはコンデンサが多少あるだけで、それ以外にはほとんど部品が載っていない。
 初代の中身の基板に比べて部品点数がかなり減っている。

 
 それぞれのICの写真

 ICは、MICRONAS社UAC3556Bと、NXP Semiconductor社TEA5777HLである。
 USBオーディオ用ICのUAC3556Bは、初代と一緒。
 ラジオ用ICがTEA5777に変更されている。このICのピン数は、かなり少なくなっている。
 ちなみに初代に使われていたのはTEA5757。当時のメーカーはPhilips Semiconductorだったのが、今は社名が変わってNXP Semiconductorになったそうだ。




初代RadioSHARKの修理

 
 改造中で挫折していた初代RadioSHARKを、改造前の状態に戻すため元通りに配線し直した。一発では動かずにハンダ不良を直して動作させることができた。
 ケースのフタを戻すときに互い違いに取り付けて、ツートンカラーにしてみた。




(後日加筆 2007.5.7 〜 2007.5.27)

 連休に、匿名希望のNさんという方から、初代RadioSHARKを日本のFMラジオ放送対応に改造するのに成功したとの電子メールを頂いた。

 改造方法は、以下のとおり。

 (1)ラジオICのTEA5757HLのピン5とピン6の間に20pFのトリマーコンデンサを接続する
 (2)ControlSHARK1というソフトで82.5MHzの局に設定し、トリマーコンデンサを調節すると、受信できるようになる。
 (3)それ以外の周波数が上あるいは下の局についても、同様に調節して、全部受信できるようにトリマーコンデンサーを調節する。



 この改造では、
 TEA5757HLのFMラジオ回路のチューナの初段にあるチューニング用の元周波数の発振回路を改造している。
 元々の発振回路は、コンデンサとコイルとバリキャップダイオードで構成されていて、バリキャップダイオードに供給する電圧が変化することで、発振周波数を可変させている。
 この発振回路にトリマーコンデンサを取り付けると、元々のコンデンサに並列になるので、容量が増え、発振周波数の可変の範囲が低周波側にシフトし、FMラジオの受信範囲が低周波側にシフトするのだと考えられる。



 自分もこの方法を試してみたところ、
 80.7MHzや82.5MHzのFMラジオ局の受信を確認できた。
 77.8MHzは受信できなかった。(メール下さったNさんは、77.1MHz,81.3MHz,82.5MHz,85.1MHzが受信できているそうなので、自分の回路調整が不十分なのだと思われる)