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Roguelikeとは何か?


 「Rogue(ローグ)」というRPGの流れを汲むゲーム(ローグ風ゲーム)です。Rogueを知らない人は次節を参照ください。





Rogueとは何か?


 UNIX上で開発された黎明期のロールプレイングゲーム(RPG)の1つ。

 「Rogue(ローグ)」は1980年にUNIXのPDPのキャラクタ端末で産声をあげ、その制作者の学生がカリフォルニア大バークレー校に編入してそちらでBSD UNIX上で拡張されて、BSD UNIX 4.2のディストリビューションに入れられたため世界的に広まりました。 (4.1 BSDに既に入っていたという説もある。)

 日本では、今は無きASCII-NETというBBSでオンラインゲームとして提供されたり、アスキーからPC9801用にパッケージソフトとして発売されたりしています。 1997年に「WinRogue」というのがアスキーから発売されています(3D化しているので本物とはだいぶ違ったゲームになっています。)

 「ローグ」のゲーム内容は古典的なテーブルトークRPG「Dungeons & Dragons」(TSR Inc.)のシステムをベースにしたもので、RPGの溢れかえる現在からみればコンピュータRPGは当たり前のことですが、当時はコンピュータでRPGができること自体が最新のコンピュータゲームであったということです。ちなみにD&Dの大元は当時アメリカで流行した幻想小説の「The Lord of the Rings(指輪物語)」がルーツになっており、RogueやNetHackもこの小説から多くを受け継いでいます。

 同様に有名な古典的名作ゲームの「Wizardry(ウィザードリィ)」も1981年にAPPLE II用に同様のコンセプトで作られたりしておりますが、ちょっとローグとは方向性が違っていてむしろWizの方がD&Dには近いように思われます。「Ultima(ウルティマ)」というゲームもだいたい同時期に出ていますが、これもローグとは少しだけ方向性が違うようです。

 ちなみにRogueの開発者のWebページは以下のとおり。

開発者: Michael Toy , Glenn Wichman


 どんなゲームなのか、実際に動いているのを見たければ、ブラウザ上で動くJavaに移植されたRogue(http://www.hexatron.com/rogue/)がある。ただし、JavaのRuntimeをインストールしていないと動かない。





UNIXのRoguelike


 Rogueのソースがネット上で公開されていなかったため、独自にフルスクラッチでRogue風ゲームが作られている。UltraRogueだとか、Hackなどがそうであり、後者はソースを公開しているためその後ずっと拡張され、NetHackの前身となっている。

 Rogueと見た目は少し異なるが、LarnだとかMoria, Omegaなども早い時期から存在していた。

 あと、AngbandとかADOMなども存在するようだ。

 詳しくは Roguelike games Home Page を参照のこと。




コンシューマー,家庭用ゲーム機のRoguelike


 ローグやネットハックに似たようなソフトとしては、任天堂スーパーファミコン用「トルネコの大冒険」や「風来のシレン」が例にあげられることが多いですが、これらもだいぶ古いソフトなので知らない人が多くなってきています。

 最近では、ソニーのプレイステイション用のソフトで、以下のようなものが出ているようです。

 「王宮の秘宝テンション」 (バップ)

変化に乏しい展開で延々と同じことの繰り返し。バランスかなり悪い。途中の1つの謎が極悪。 (☆ × -1)

 「チョコボの不思議なダンジョン」 (スクウェア)

スクウェアに偏見はないんだけど、これはいただけない。部屋から外に魔物が追いかけてこないのが×。 (☆)
続編が出たらしい。若干改良されたという話だが未確認。

 「アザーライフ・アザードリームズ」 (コナミ)

ペット育成だとか他の要素もあるのだが、しっかりとローグ風ゲームである。意外と面白かった。迷宮に閉息感がないのも吉。 (☆☆☆)

 「ポポローグ」 (SCE)

「ポポロクロイス物語」というゲームの続編。ローグ風でない前作の方がよほど面白かった。MOD-chipプロテクトを最初に採用したため別の意味で有名になったソフトでもある。 (☆☆)

 「わくわくぷよふよダンジョン」 (コンパイル)

「魔道物語」というRPGの登場人物を登場させて作られたいわゆる落ち物パズルゲームの「ぷよぷよ」という人気ソフトがあり、その「ぷよぷよ」の人気にあやかって作られたRPGであると思われる。セガサターン版が出ていたが、最近PS版も出たらしい。詳細不明。



アーケード・ゲームのRoguelike


 ゲームセンターで100円コイン/1クレジットでプレイするスタイルとローグ風ゲームというのはあまりマッチしないので純粋にローグ風というのは存在していないと言える。強いて作品を挙げるとすれば以下のようなものだろうか。

 「ドルアーガの塔」 (ナムコ, 1984年発表)

一応は迷宮自動生成のRPGである。怪物を倒し、各フロアの謎を解いて宝箱のアイテムを集め、最上階の魔王を倒して誘拐された巫女を取り返すというゲーム。各フロアの謎がトンでもなく難しく、シークレットファイル(spoilerのようなもの)なしでは攻略は絶対に不可能である。(c.f. 攻略情報 by 沼田いっせい)。 (後日加筆 迷宮自動生成について、乱数の種を面番号にしているため、迷宮はいつも一定とのこと)
続編で「イシターの復活」がある。パスワードによるコンティニュー有り。2人同時プレイ可能、というか2人専用ゲームである。
プレイステイション用に「ナムコミュージアム」というゲーム集が出ていて、それぞれ収録されている。

 「ガントレット」 (アタリ, 1985年発表)

今は亡きアタリ社の名作ゲーム。ひたすら大量の敵を倒して迷路を突破していくゲーム。迷宮は自動生成でなく、あらかじめ用意されたかなり多くのパターンの中からランダムに出てくる。4人同時パーティープレイ可能。 古いゲームなので現物は見たことがないのだが、US版PlayStation用のアタリゲーム集というのが入手可能。普通はPlayStationに2個しかコントローラーがつなげないので2人までしか試していない。
GetMedieval」(Monolith, 1997年)というPC用のゲームがほぼガントレットのリメイクである。日本国内ではマトモに扱う所が無くて、宝島社から書籍の形で「ダンジョン・ウォーリア」というタイトルで出ていた。
1999年現在、続編の「ガントレット・レジェンド」がMidway社から出ている。日本国内ではSNK社が扱っている。ゲーム自体は前作と異なり、見事に3D化されている。

 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」 (カプコン, 1994年発表)

D&Dの世界をアーケードゲーム化した作品。ちゃんとD&Dの版元の公式な許諾を得ている。 RPGというよりも横スクロールアクションゲームである。「D&D Tower of Doom」 と、続編の「D&D Shadow over Mystara」の2作が存在する。ToDはかなり難しく、アクションゲームマニア御用達。2人同時パーティープレイ可能。 最近、セガサターン版が2作カップリングで出ている(他のCP2システム用のゲームは「カプコン・ジェネレーションズ」というゲーム集で出ている)。



PCのRoguelike


 パソコン用だと、ずばりPC9801用「NetHack」(英語版)が秀和システムトレーディングから説明書付きフリーソフト集の書籍形態で出ていたこともあります。付属の書籍が結構おもしろくて◎。 (☆☆☆)

 似たようなゲームとしては、かなり古いソフトですがPC9801用の「エリュシオン」(システムソフト)というゲームがあり、マップの生成はありませんが、かなりローグ風のゲームです。(☆☆☆)

 「Diablo」 (Blizzard, 1996年)というのが、ローグ風のゲームと言われています。たしかにRogue風の要素はだいぶ入っています。Rogueとちがってリアルタイムでゲームが進行するので呪文を使うのや武器を持ち替える操作にすごくアセります。(☆☆☆☆)

 「エルダーブレイズ」 (日本クリエイト)というのがローグ風らしいのですが、いまのところ特に情報なし。(日本クリエイトってどこかで聞いたことがあるかと思ったら、WinRogueを作った会社なのですな。)

 トールキンの指輪物語のゲームが出るらしい。名前は「Middle-earth」。UltimaOnlineのようなオンラインゲームとのこと。(関連情報)

 他にも、Diablo風ゲーム、D&DベースのRPG、迷宮自動生成、ネットワークプレイ対応というようなゲームは今後いろいろと出て来そうな感じである。



参考文献

ローグハンドブック(BNN出版)
季刊 DE 1997夏号(アスキー出版)




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