小ネタ 2013-027

ARMマイコン開発環境をARMモバイル機で

ARMマイコンの開発をARM CPUを搭載したモバイル機でやってみている。


NetWalker

シャープのNetWalkerというARM搭載のモバイルなUbuntuマシンが出ていた。

NetWalkerには、キーボード内蔵の折りたたみ型のクラムシェル形状のマシンと、キーボードの無いタブレット型(厚いけど)の2種類が存在している。
キーボード付きのNetWalkerはキーボードの出来が非常に悪いので、キーボード無しのを買った。
OSのUbuntuは最新版にアップデートができない。CPUがなんかバグを抱えているようでUbuntu公式でビルドされたカーネルや各種パッケージがうまく動かないそうだ。全部パッチをあててビルドし直してカーネルをビルドしなおす人もいるようだが、あまり生産的でないしもう継続していないようだ。残念なマシンである。

ARM用のセルフ開発用にgccを動かすことが可能。
だけど、このマシンは今ではかなり非力で使い勝手もよくないので、結局あまり使っていない。
CPUを換装とか、メインボードごとUbuntuが普通に動かせる換装用ARM CPUの基板を作ったりできないものだろうか。
BeagleBoneやpcDuinoの基板の回路図を見るとびっくりするほど簡単だという話だ。


Dynabook AZ

東芝のDynabook AZというARM搭載のAndroidマシンが出ていた。

キーボードとタッチパッドは付いているが、画面がタッチパネルになっていない。そのためAndroidマシンとしてはIS-01より使いにくい。しばらく放置していた。
その後、Ubuntuがインストールできるというロシア発のhackが出たので、Androidを消してUbuntu化した。
あとはずっとARM版Ubuntuマシンとして使っている。
UbuntuマシンとしてはほぼデスクトップPCのUbuntuと使い勝手が同じで、ほんの少し処理が重いかなという程度で実用になっている。
スピーカーが時々プツッという音を出すという現象があったけど、オーディオ関係のサポートをapt-get remove linux-sound-baseでアンインストールして使っている。
キーボードも英語キーボードに取り替えて使っている。海外版AC100仕様である。

Ubuntuなのでapt-get install gccとするだけで、gccを普通に使うことが出来る。
gccは、armhfというハードウェア的な浮動小数演算対応のARM用のバージョンのgccである。
summon-gccという簡単にgccをビルドすることのできるスクリプトというのがあるので、それを使ってHardwareFloatでないSoftwareFloatバージョンのgccを自動でソースからビルドできた。

SDカードスロットもあるので、FluCardというARM Linuxを搭載したSDカードのhackの開発にちょうど良さそう。


旧Nexus7

ASUSのNexus7もAndroidタブレットである。

Nexus7はUbuntuの公式でARM版Ubuntuのインストールが公開されている。
インストールして入れてみたのだけど、素のまま非常に不安定で使いものにならなかった。
Terminalを出すとかの基本操作すら危うい感じだ。
Tegra2のDynabookAZがかなり実用的に使えていたので、Tegra3のNexus7にも期待したのだけど。
色々と手動で手を入れると使えるようになるらしい。→ Nexus7実験所

Ubuntu公式ではタブレット用のUbuntu Touchというタブレットやスマートフォン向けのUbuntuを作っている最中で、
Nexus7で開発途中の開発版(アルファ版以前の作りかけっぽい感じのバージョン)を試すことができる。
タブレットでもスマホでも使える『Ubuntu Touch』を入れてみた
こちらはそこまで不安定ではないのだけれど、Terminalを出してコンソール操作をするのができなかったので
開発環境として使うのはできないようだ。


Samsung Chromebook(ARM版)

Chromebookは、GoogleのChromeOSマシンである。x86版とARM版があり、このマシンはARM版Chromebookの方だ。

この機種はroot化すると、Ubuntuをインストールできるらしい。
root化は試したけど、結局Ubuntuを入れずに元の状態に復旧させてしまった。
完全にUbuntu化するのではなく、切り替えながら使うと言うことも可能なようだ。
Chromebook に Ubuntu と切り替えながら使える crouton を入れてみた。 サイゴンのうさぎ

ChromeOSでもブラウザとUSBストレージが使えるのでmbedのARM開発環境を動かすことが出来た。



ARMマイコンを積んでいる http://www.kako.com/neta/2013-017/2013-017.html
8pin DIP ARMマイコンを試してみる http://www.kako.com/neta/2013-016/2013-016.html
ARMマイコンボードでLinuxと電子工作 http://www.kako.com/neta/2013-015/2013-015.html