小ネタ 2004-014

Gameboy Advance 「まわるメイドインワリオ」 の回転センサー攻略

 2004年10月に発売されたゲームボーイアドバンス用のゲーム「まわるメイドインワリオ」は、カートリッジに"回転センサー"が組み込まれたゲームで、従来のメイドインワリオが普通に十字キーとボタンを使ったミニゲーム集だったのに対して、今回は新しいセンサーを使って動きを使うという斬新なゲームとなっている。 センサーに興味があったのと、ゲーム自体も前評判が高く期待の作品であったので、即、購入した。

- カートリッジの中身 -
 気が付いたらいきなりなぜかカートリッジの蓋が開いて中身が見える。落として壊れて蓋が開いたと説明しておく。

 
 中身の写真  カートリッジの手前の中央が回転センサー カートリッジの右下は振動用のバイブレーションモーター

 "回転センサー"は、NecTokinという会社のセラミック圧電振動ジャイロ CG-L43である。

 ジャイロで検出した回転と同期してカチカチという音を再生し、さらに振動モータで同時に振動を発生させている。あたかもゲームボーイの中に歯車式の機械の仕掛けが入っているかのような体感を得ることが出来る。メニュー操作はそのような体感である。

 ジャイロは、超小型と謳ってはいるが、結構デカい。カートリッジがありえないほど出っ張っていて、GBAに取り付けると収まりが悪くて非常に困るくらいである。

 ちなみに、セイコーエプソンから5ミリくらいの超超小型のジャイロが近日中に出るらしいので、それが使えていればかなり小さくなるだろう。同社の飛行ロボットに使っているそうなので、性能はそれなりに出るのだと思われる。
 あるいはもっと大きくても構わないということでGyration社の2軸ジャイロを使えれば2方向の回転が取れるのでまた違ったゲームが可能になるだろう。まあ大きさ的には絶対に無理か。


- 攻略 -
 ゲームの内容は、慣れるまで画面内のものを動かすのに右に回すのか左に回すのかを迷うミニゲームが多くて、時間制限5秒というのもあり、結構難しい。

 やけに難しいなあと思っていたら、原因と攻略法が分かった。原因はGBA-SPで使っていたからである。攻略法は、無印のGBAで遊ぶことである。
 センサの位置がGBAの上になるか下になるかが変わるのであるが、それだけで難易度が倍くらい違うように感じられる。
 GBA-SPでも、回転式のイスに座って自分ごと回るとか、ターンテーブルのようなものに置いて全体を回すとかするとある程度まではクリアできる。
 無印GBAだと画面が暗いというデメリットがあるが、それは透過式のフロントライトを組み込んで攻略した。


(後日加筆)
 ジャイロセンサの弱点として、センサで検出するのが角加速度であるので、回転速度は角加速度を積分して求めなければならないというのがある。たまにその積分値が狂って回転し続けてしまう現象が発生する。それを回避するためには、静止状態で回転速度ゼロにリセットする必要がある。
 で、このゲームではそのリセットを各ミニゲームの冒頭の「〜せよ」という指示を表示している部分でリセットしているようだ。次にどんなミニゲームが出てくるのか、その内容はなんなのかを見落とすとミニゲームをクリアできないため、この「〜せよ」表示を見落とさないようにプレイヤーは注意して画面を見ていて、その時に画面を動かさないようにしているハズである。メイドインワリオだからこそジャイロのリセットが可能というのが巧妙である。
 さらに加筆、
 上記のジャイロセンサのことは、ちょっと誤解していた。ジャイロの本を読んで気が付いた。センサで検出するのは角速度である。ただし、回転していない静止状態での出力値が安定しておらず常にドリフトしてしまうのが弱点である。ゆえに静止状態で回転速度ゼロにリセットをかける必要があるのだそうだ。



 余談。重力センサー搭載の「ヨッシーの万有引力」というゲームが出た。使われているセンサーはコロコロカービィとかハッピィパネッチュと一緒の加速度センサADXL202だった。小型パッケージのADXL202Eや、さらに新しい超小型の携帯電話向け加速度センサも出ているのになぜ旧式の大きなパッケージのADXL202を採用し続けるのだろうか? 謎である。(相当数を安価で購入契約しているので変えることができないとか?)


関連: まわるメイドインワリオ小型化 http://www.kako.com/neta/2005-014/2005-014.html