PC−E500/1480U+CE−2H64M TY-DOS series vol.7 TY-KanjiControlSystem Ver.1.0 TY−KCS V1                      Copyright(c)1988   ■山口俊郎  E500で漢字は使えないものかと悪戦苦闘した結果がこのプログラムです.このプロ グラムはTY−DOSのフロント・エンド・プロセッサ(デバイス・ドライバ)の形式に なっているので,1度組み込めば,特に意識せずにDOS上で漢字が扱えるようになりま あす.なお,プログラム+データが約50Kバイトと非常に巨大なので,TY−TERM V2と共に1本のポケット・ディスクで,”漢字ターミナルシステム”として,ディスケ ットサービスされます.本誌には使い方とプログラムソース・リストのみを掲載します. *** ポケット・ディスクの内容 ***  ポケット・ディスクには,TY−KCSと漢字フォント以外に,TY−TERM V2 と,TY−DOS V1,TY−COM V1.1が入っているので,このディスク1枚 で,漢字ターミナルシステムが構築できます.  購入方法などの詳しいことは,本誌のディスケット・サービスのお知らせのコーナーを 参照してください. *** 漢字表示の方法 *** (1)フォント  フォントはJIS第一水準3351文字を15*8ドットの圧縮フォントで持っていま す.ロシア文字と,罫線の素片は持っていません.このフォントの容量は,3351*1 5=50265バイトにもなります.  これでも,空白のコードのフォントはすべて省いてあるのですが,全角記号とか,英数 字の部分は空白が多くてフォント・アドレスの計算が大変なんですよ.  フォントが15*8ドットなので,1画面に表示できる文字数は13文字*4行の52 文字となります. (2)表示の方法  E500はPCGモドキができます.が,これはあくまでもどきです.何処が?といい ますと,PCGではフオントを変更すると,以前に画面に表示されたキャラク夕のフォン トまで変わってしまいます.PCGモドキでは,これは変わりません.よって,キャラク タコート80Hから82Hのフォントを表示する漢字のフォントとし,このコードを画面 に出力し,元のフオントに戻しています.これで万事OKです.この方法だと,LCDC の直接アクセスなどの面倒な手続きを一切踏まないで事が済むと言う訳です. (3)問題点  E500はANKは横6ドットです.漢字は2バイトと,ANKのバイト数の2倍のコ ードで表されるので,漢字の横ドットはANKの横ドットの2倍にするのが都合良いので すか,6の2倍は12となってしまい,これだと漢字を表現するには不足です.よって, 6の3倍の18としています.漢字ファイル・フルスクリーンエディ夕を作るなどという のでなければ普段は問題はないのですが,唯1つあります.それは,バック・スペースの 処理です.バック・スペースは,メモリ上で1バイトの前削除を行い,表示もANK1文 字分前に戻します.漢字の場合には,2回バック・スペースを行えばメモリ上では削除さ れる訳ですが,表示上では漢字はANK文字3文字分あるわけですから,2回のバック・ スペースでは,1/3が余ってしまうわけです.このようにメモリ上のデータと表示上の デ一夕でズレが生じます.でも,これはどうしようもないので,この様なものだと諦めて ください・ (4)TY−KCSの呼び出し方法  アプリケーション(AP)はTY−KCSを特に意識する事はありません.”SCRN :”デバイスにシフトJISコードで漢字コードが送られたらTY−KCSは対応する漢 字を表示し,”KYBD:”デバイスから漢字入力モードに入るコードが入力されたら, 漢字入力モードに入り,以後,漢字入力モードを抜けるコードが入力されるまで,入れさ れたコードを加工します. *** TY−KCSの組み込み方法 ***  組み込みは以下の通りに行います.面倒ですが,一度組み込めばメモリやラムファィル の内容を破壊しない限り,電源ON,OFFでも組み込まれたままなので頑張ってくださ い.なお,この組み込みを行うと,TY−TERM V2もラム・ファイルにコピーされ て使用環境が整い,すぐに,漢字ターミナルとして使用できるようになります.これが不 用なら,組み込み終了後.”E:TYTERM”をKILLしてください. (1)PC−E500にCE−2H64Mをセットする (2)ONキーを押しながらリセットし,ALL CKEAR OK?に対して,Yを入力する (3)PF1を押し,MEM$=”B”とする (4)INIT”E:21K”とする (5)ディスクをA面にセットし,COPY”X:*.*”TO”E:”とする (6)”E:TYTERM.INI”をロードし,RUNする (7)PF1キーを押し,GOTO *Bとし,表示が消えたらりセットする (8)PF1キーを押し,”E:INIT.BAS”をロードし,RUNする (9)PF1キーを押し,ディスクをB面にセットし,”E:LOADER.BAS”を ロードし,RUNする *** TY−KCSでの全角文字の入力方法 ***  TY−KCSでは,直接.全角英教字とカタカナ,ひらがなを入力できます.また,コ ード入力により,全ての文字が入力できます.  CTRL+カナで,”E”シンボル(EはExtendのEだと思ってください)が点 灯し,全角文字入力モードに入ります.”E”シンボル点灯中にCTRL+カナを押すと ”E”シンボルは消灯し,全角文字入力モードを抜け,通常状態に戻ります.  全角文字入力モードでは,英数字とカナが入力されたら.対応する全角文字に変換しま す.通常,カナはひらがなに変換されます.CTRL+1とすると,以後,カナをカタカ ナに変換します.元に戻すにはCTRL+0とします.  コード入力モードに入るにはCTRL+2とします.入力する文字のコードを,半角文 字ならアスキー・コードの16進数2桁で,全角文字ならシフトJISコードの16進数 4桁でそれぞれ入力してください.コード入力モードを抜けるには,CTRL+3としま す. *** TY−KCS活用方法 ***  TY−KCSはやはり,TY−TERM V2と共に用いて,TY−TERM V2を 漢字化するのが一番の活用法でしょう. *** TY−KCSその他の機能 ***  TY−KCSでは,与えられた漢字コードのフォント・デー夕が格納されている先頭ア ドレスを返す機能があります.  ファイル・ハンドル=0FFHとして,1文字出力することで,この機能が働きます. この傷台,文字は出力せず,Aレジス夕に次の意味をもった値を返します. ・A=00H  コードが確定していない.すなわち,2バイト・コードの1バイト目が与えられた. ・A=01H  コードが確定した.Xにフォント先頭アドレス,Yにフオントのサイズ(15)が返さ れる. ・A=02H  コードが確定したが,それは全角スペースのコードであった.Yにサイズ(15)が返 される. ・A=0FFH  コードは確定したが,それは,湊字コードではなかった. *** 作者談 ***  できるかどうか半信半疑で作り始めたのですが,難なくできてしまいました.さすがは E500です.巷ではE500はゴム・キーがぼろいだのバグだらけだの言われています が,何と言っても強力なIOCS,高速高性能CPU,マルチフォント,マシン語の扱い 易さなどの特徴を持つE500はAI−1000も差し置いて一番のポケコンでしょう.