■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ TY-DOS series Vol.1/Vol.2 TY-DOS system TY−DOS V1/TY−COM V1 For PC-E500/1480U/E550/1490U ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  マシン語プログラムの実行には、従来は、ロードして、開始アドレスをコールするという七面倒くさい作業が必要でした、が、このTY−DOSを使えば、ユーザーは実行するプログラムのファイル名さえわかれば良く、開始アドレスを考慮する必要はありません。また、バッチ・ファイルやリダイレクトといった便利な機能が使えるようになります。  今後、PC−E500/1490Uシステムブロックはすべて、TY−DOS上で動くものとして発表します。よって、TY−DOSがないとそれらのプログラムが利用できないとなるので、ユーザーの皆様ぜひ入力してください。 ●TY−DOS 導入編●  ここでは、TY−DOSシステムの概要、入力方法、動作環境の設定などについ説明します。 1.TY−DOSの機器構成  TY−DOSは、本体のみでも動作しますが、できることならRAMは96Kバイトに拡張されていることが望ましいです。  また、ポケット・ディスク・ドライブ、レベルコン・バータ、プリンタがあると何かと便利です。 2.TY−DOSの動作  TY−DOSはTY−COMとペア(以下TY−DOSシステムと呼ぶ)で使用します。ちょうど、TY−DOSがMS−DOSの”MS−DOS.SYS”にTY−COMが”COMMAND.COM”に対応しているわけです。MS−DOSでの”IO.SYS”はTY−DOSシステムには含まれず、BASICのファイルIOCSが対応します。  TY−DOSは常にメモリに常駐します。本来は、TY−DOSとTY−COMをまとめて1本のプログラムにして常駐させても良いのですが、メモリが限られているため、常駐しなくても良い部分はTY−COMとして別のプログラムになっているわけです。  TY−DOSはTY−COMの呼び出し、文字列の解析や、アプリケーション(AP)への制御の引き渡し/戻しを行うIOCSルーチンから成り立ちます。  TY−DOSはTY−COMを呼び出し、TY−COMからの指令により、APを呼び出し、再度TY−COMを呼び出す動作を[BASIC]が押されるまで繰り返します。 3.TY−DOSの扱えるファイル  TY−DOSはファイル・コントロールプログラムは持たないので、ファイルIOCSの機能がそのまま、TY−DOSのファイル・コントロールの機能となります。つまり、BASICのファイルと互換性があるわけです。  ファイルIOCSはポケット・ディスク以外のすべてのデバイス(ラムファイル”E:”/”F:”/”G:”、メモリ・スロット”S1:”/”S2:”/”S3:”、LCD画面”SCRN:”、キーボード”KYBD:”、プリンタ”PRN:”、RS−232C”COM:”、カセット”CAS:”)を扱えます。  なおTY−DOSの仕様により、ファイル名に使える文字が制限されます。ファイル名には英大小文字、数字、アンダーバー、CHR$(128)からCHR$(254)で示される文字が使用できます。 4.TY−DOSシステムの入力  入力の前にマシン語領域を10Kバイト以上確保しておく必要があります。 1)TY−DOSの入力  リスト1を簡易モニタで入力し、  ディスク:SAVEM ”X:TYDOS.SYS”,&BF800、&BFB53  カセット:CSAVEM ”TYDOS.SYS”,&BF800、&BFB53 でセーブしてください。 2)TY−COMの入力  リスト2を簡易モニタで入力し、  ディスク:SAVEM ”X:TYCOM.SYS”,&BE800、&BEF96  カセット:CSAVEM ”TYCOM.SYS”,&BE800、&BEF96 でセーブしてください。 5.TY−DOSシステムの動作環境  ラム・ファイル(”E:”または”F:”)が存在し、マシン語領域が10Kバイト以上確保されていることが必要です。アプリケーションによってはTY−EDの様に多大なメモリを必要とするものがあるので、これらを動作させる場合にはそのマニュアルに指示されている容量以上のマシン語領域を確保する必要です。  また、メモリに”TYDOS.SYS”がロードされていて、ラムファイルに”TYCOM.SYS”が入っていなければなりません。 <セットアップ例>  RAMが96Kバイト実装されているときの例を示します。 POKE &BFE03,&1A,&FD,&0B,&20,&A0,&00 CALL &FFFD8 INIT”E:50K” LOADM”X:TYDOS.SYS” COPY”X:TYCOM.SYS”TO”E:”  これで環境が整います。 6.TY−DOSシステムの起動  動作環境が整っていないときには、5.を参照してセット・アップします。  整っているときは、CALL &BF800で起動します。 7.参考までに  TY−DOSの扱えるメモリ(マシン語領域)の終了アドレスは&BFBFFで、確定していますが、先頭アドレスは、ラム・カードの装着状況などによって変わってきます。よって、APの先頭アドレスを固定する事ができません。また、CPUの特性上、完全リロケータブルなプログラムは作れないこともありませんがメモリを喰うので、事実上不可能です。  以上のことから、TY−DOSシステム・プログラムはマシン語領域の末尾に。APはその終了アドレスがTY−DOSシステムの先頭アドレスに重ならない程度にマシン語領域の後方に置く必要があります。  このため、TY−DOSのバージョン・アップによってTY−DOSのプログラム・サイズが大幅に大きくなった場合には、APとTY−DOSシステムが重なる恐れがあります。  が、TY−DOSは大幅な変更はまずなく、せいぜいBUG・FIX位なので、心配はありません。TY−COMは大幅な変更(たとえば、ウィンドウを用いてユーザー・インターフェイスを改善するとか)があるかも知れませんが、TY−COMはAPと同じ扱いになので、関係ありません。 ●TY−DOS 操作編●  ここでは、TY−COMの使い方、つまりTY−DOSシステムへの命令の与え方を説明します。前の節とこの節とAPのマニュアルを参照すれば、とりあえずひととうりのことはできます。T−DOSはMS−DOSを参考にしてあるため、MS−DOSがわかる人には簡単でしょう。 1.プロンプトの表示  ”KYBD:”(キーボード・デバイス)からの入力を受け付けるプロンプトは、画面左端にカレント・ドライブ名に続けて”>”と表示します。カレント・ドライブとは、デバイス名の指定が、省略されたときに自動的につけられるデバイスを指します。  参考までに、BASICでは、デバイスへのアクセスの際にデバイス名が省略された場合は、その直前にアクセスされたデバイスをアクセスします。このデバイス名が保存してあるエリアをTY−DOSでもカレント・ドライブ名保存エリアとして使用します。よって、TY−DOS起動直後には、このエリアの内容がカレント・ドライブになっています。 <例>  カレント・ドライブが”E:”のとき、 E>  の様に表示されます。  カレント・ドライブを変更するには、変更先ドライブ名と”:”を入力し、リターン・キーを押します。  このカレント・ドライブには必ず”TYCOM.SYS”が入っていなければなりません。従ってTY−DOS起動時にはDSKF”E:”などとしてカレント・ドライブをラムファイルに設定しておく必要があります。 2.コマンド、ファイル名の入力  コマンド、ファイル名の入力はコマンド・ライン上で行い。その内容はプロンプトに続いて表示されます。コマンド・ラインでは、BASICと異なり、カーソル・キー/INS/DELキーによる入力文字列のEDITはできません。BS/カーソルの左キーでカーソルを1つ戻し、そこの文字を削除すること、[C・CE]で画面をクリアすること、[CTRL]+[A]でコマンド・ライン・バッファの内容を復活することだけができます。また、[BASIC]きーで、BASICに戻ります。  コマンド、ファイル名などの項目は1個以上のスペースで区切り、まず初めに、実行するコマンドまたは、アプリケーション・ファイル名を書きます。次に、引き渡すスイッチ指定、引き渡すファイル名の順に書きます。リダイレクト指定はこの間の任意の位置に書きます。改行キーで、それまで入力された文字列が3.で解釈/実行されます。 3.項目の説明/解釈/実行 1)コマンド/ファイル名  TY−COM V1は次に示す内部コマンドを持ちます。内部コマンド以外のファイル名はすべてAPまたはバッチファイルのファイル名とみなします。  ファイル名のファイルがAP(マシン語プログラム)の場合はこれを呼び出します。  テキスト(バッチ・ファイル)の場合には、その内容をすべてキーボードから入力されるようにコマンドラインに出力(つまり、ファイルの内容が解釈/実行される)します。  ファイルが存在しまい時はエラーになります。  なお、TY−DOS起動直後には”AUTOEXEC”のファイル名のファイルが実行されます。これはMS−DOSの”AUTOEXEC.BAT”に対応しますが、”AUTOEXEC”ファイルが、バッチファイルではなく実行ファイルであっても一向に差し支えありません。  TY−DOS上ではファイルは同時に3つまでしかOPENできません。バッチファイルはネスト(バッチファイルの中かで別のバッチファイルを呼び出す)させることができますが、ネストの深さの個数のファイルがOPENされる、APなどで、ファイルがOPENできなくなる恐れがあります。ですから、なるべくバッチファイルはネストさせないでください。 ・COPY  書式:COPY ファイル1 ファイル2  動作:BASICのコピー命令と同じで、ファイル1をファイル2にコピーします。 ただし、ファイル1に”SCRN:”、ファイル2に”KYBD:”は置けま せん。 ・TYPE  書式:TYPE ファイル  動作:COPY ファイル SCRN: と同じです。ただし、ファイルに”KYB D:”は置けません。 スイッチは”P”が使え、1画面出力するたびにキー入力待ちすることを示し ます。 ・DEL  書式:DEL ファイル  動作:ファイルを削除します。確認を要求するので画面の指示にし違ってください。 スイッチは”N”が使え、削除の確認をしないことを示します。 ・REN  書式:REN ファイル1 ファイル2  動作:ファイル1のファイルの名前をファイル2の名前のファイルにします。 ・DIR  書式:DIR ファイル  動作:BASICのFILESと同じです。 スイッチは”P”と”W”が使え、”P”は1画面出力するたびにキー入力待 ちすることを示し、”W”は1行に2つのファイルを表示する事を示します。 ・CLS  書式:CLS  動作:[C・CE]キーを押したのと同じで、画面をクリアーします。 ・MAKE  書式:MAKE ファイル  動作:COPY KYBD: ファイル と同じです。 ただし、ファイルに”SCRN:”は置けません。 ・BASIC  書式:BASIC  動作:[BASIC]キーを押したのと同じで、BASICに戻ります。 2)リダイレクト指定  TY−DOSのAPは、エディタなどの複雑な画面操作を要求されるもの以外では、すべて画面への出力は標準出力デバイス、またキーボードからの入力は標準入力デバイスから行います。  普段は、標準出力デバイスは”SCRN:”(LCD画面)、標準入力デバイスは”KYBD:”(キーボード)になっていますが、このリダイレクト指定により、これらのデバイスをプリンタやファイルやファイルに置き換えることができます。リダイレクト指定は何回でもできますが、いちばん最後に指定されたものが有効となります。 >デバイスまたはファイル名  で、標準出力デバイスの置き換えができます <デバイスまたはファイル名  で、標準入力デバイスの置き換えができます <例> E>TYKXASM TYED.TXT >PRN: <TEST  では、画面出力をプリンタへ、キー入力を”E:TEST”からに置き換え、”TYED.TXT”をファイル指定としてTY−KXASMを実行します。 3)スイッチ指定  コマンドまたはアプリケーションに引き渡すスイッチ(各種情報)を指定します。スイッチ指定が省略されている場合には各アプリケーションで決まっているデフォルトの状態になります。 −スイッチ名  で、そのスイッチを指定します。スイッチ名にはファイル名に使える文字が使えますが、英小文字は英大文字に変換されます。また、長さは10バイトまでです。スイッチ指定は何個あっても構いません。 <例> E>TYED −I  TY−EDを、インデント・オンの状態で、立ちあげます。 4)ファイル指定  コマンドまたはアプリケーションに引き渡すファイルを指定します。ファイルの指定の個数は各アプリケーションにより異なるのでマニュアルを参照してください。 <例> E>COPY E: F:  ”E:”と”F:”がこのファイル指定の部分です。 ●TY−DOS 応用編●  ここでは、TY−DOS上のアプリケーションを作ろうという勇気のあるエキスパート達のためにアプリケーションの作り方、IOCSについて説明するのですが、原稿が間に合わないので、今号には載りません。 ●TY−DOS 喚起編●  TY−DOSのAPはBASICから呼び出すこともできます。ただし、ファンクション・キー表示がなく、TY−DOSシステムが1回以上実行されていなければなりません。  呼び出し方法は、 CALL AP先頭アドレス”スイッチ指定 ファイル指定 です。 ●TY−DOS 独言編●  随分と前に予告したTY−DOSですが、今やっと完成を見ました。予告したときはSC61860対応だったのですが、PC−E500/1480Uの出現により、急きょSC62015対応に変更しました。今後ポケコンはSC62015かZ80がベースになるでしょうから、よってSC61860対応のTY−DOSは制作しないこととなりました。あんまり作ってくれという要望くるなら考えないでもないですが、まず、作らないと考えてください。  PC−1261からPC−1350へ発展したときのギャップより、遥かに大きい性能のギャップPC−1350/60KからPC−E500への発展に存在しています。PC−1350/60KやほかのSC61860マシンをお持ちの皆様、骨までしゃぶられたポケコンにかじりついているのも結構ですが、もっとビジョンを前に向け、遥かに大きいな可能性のあるPC−E500/1480Uのユーザーに移ってみるのは如何なものでしょうか。