小ネタ 199X-005

ゲームボーイ関係の製作


ゲームボーイ関連の製作について

 任天堂の「ゲームボーイ」というハンディゲーム機はあまりに有名なのでこれについては説明は不要でしょう。
ハードはZ80ライクのシステムらしいです。プロテクトとかそういうのがないマシンなので解析も容易で、またゲームボーイ自体が息の長い機械なので、もう既に十分な解析が各所でなされてしまっているようです。ゲームボーイのソフトを開発するためのフリーの開発環境なども出ていたりします。

 このページではそれらを用いた製作の事例等を紹介しようと思います。市販ソフトのROMイメージ配布とかそういうのはキライですので扱いません。



- 製作事例 -

- その他 -





「GBで発見! 綾波っち」用4MbitEPROMカートリッジの製作

 人気TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクター「綾波レイ」を育成するという育成ゲームです。ソフトを頒布して頂いて、私もこれのカートリッジを製作してみました。といっても回路図どおりに組み立てただけですけどね。4MbitROMのソフトなのでカートリッジの製作が大変で、コンパクトにまとめることができませんでした。
Ayanamicchi FD 頒布物のFDの中のROMイメージファイルを、ROMライターを使ってEPROMに書き込む。
 4Mbitの容量だと、手持ちの秋月のROMライターキットでは焼けないので、専用のちゃんとしたROMライターを用いた。

このソフトの作者のページ / 入手先は、こちらです。



PCB Edge

ROM IC Socket

ROM cart

Cart in GB

基板のエッジから信号を取る

ROM用ICソケットを取り付ける

完成したカートリッジ
(標準カートの2倍サイズ)

旧タイプのゲームボーイに
入れてもSWが入るように
切り欠きが入れてある



Ayanami

画面1

実験体選択

画面2

開始画面

画面3

メニュー画面

ソフトをROMに書き込んで動作した画面

ゲーム中の画面


という感じで製作し、動作しました。




「Fruits Field」の製作 (自作ソフトの製作)

 8ビットパソコン時代の古いパズルゲームの移植版です。参考までにMacintosh版の情報(ヒント等)はこちらにあります。

 各種GB資料を漁ってメドがついたので、特に何も仕様とか考えずにおもむろにコードを書き始めました。最初はエミュレータで動作確認しながらやっていたのですが、実機への移行段階ですぐにはうまく動かなくてアセりました。実機で動いてナンボですからねえ。で、最終的にデバッグが済んで、実機用にパッド入力のキーリピートや表示速度などが調節してあります。開発に使用したソフトは秋月電子のZ80アセンブラの「XA80」です。といってもこのアセンブラを推奨するわけではなくて、やろうと思えば道具なんて何をつかってもソフトは作れるというのを実践してみたつもり。

 本ゲームのダウンロードはこちら

Fruits Field screen

Fruits Field ROM

先ず最初にエミュレータで動作確認

ROMに焼いて実機で動作確認


 という感じで製作し、動作しました。

 カートリッジの回路はネットで各種GB資料を漁ったりして見つけたのを参考にしました。

(1999年5月5日に加筆)
 BUNG ENTERPRISESの「GB-Xchanger」というフラッシュROMライターを用い、同社の「GB CARD 4M」というフラッシュROMカートリッジにこのゲームを書き込んで動作することを確認しました。




同人ソフトで遊ぶ


 同人ソフトで「TinyOne」等が存在します。普通同人作品の入手方法というと、コミックマーケット等の即売会に足を運ぶとか、直販時に申し込むということですが、最近では同人作品を専門に扱う販売店も増えてきております。しかし、ゲームボーイの同人ソフトを扱う店は少ないです。秋葉原の「あきばおー」という店で購入可能で、通信販売をしているのでここで入手しました。
 ちなみに「TinyOne」を制作したサークルさんのWebページはこちら。開発関係の情報はこちら
TinyOne


 遊ぶ方法ですが、ゲームボーイ・エミュレータを使ってパソコン上でも動かすことができますが、これでは面白くありません。だからといって、先に紹介した綾波っちの事例のようにROMカートリッジを自作するというのも、万人にできるようなことではありません。
 一応、一般人がこれらのソフトで遊ぶのに必要な機材も存在します。BUNG ENTERPRISESの「GB-Xchanger」というフラッシュROMライターと、同社の「GB CARD 4M」というフラッシュROMカートリッジというのが出ておりますので、これを使うと誰でも簡単にゲームボーイソフトをフラッシュROMに書き込むことができます。
GB Xchangersoft runs on GB

 「TinyOne」で遊んでみたわけですが、よくできています。ゲーム内容は「One」の登場人物を使って「ToHeart」のネタとゲームシステムで遊ぶという内容で、かなり楽しめました。こういう小説形式のビジュアルノベルをゲームボーイで作る余地というか可能性が感じられました。文庫本を好きな場所で読むが如く、携帯ゲーム機で好きな場所でプレイできるのがよいと思います。
 →「TinyOne」攻略法


(2013-09-15 後日加筆)
ゲームボーイのCPUはZ80カスタムなのか、それとも8080カスタムなのかという考察をしているblog記事がありました。
 →ゲームボーイの CPU【日記】 - 魔法使いの森

Z80のセカンドソースをしていたシャープがゲームボーイのCPUを作ったとのこと。
ゲームボーイのCPUはZ80よりも8080に近いが、シャープとしては政治的にこれをZ80カスタムと呼んだのではという予想とか興味深い。

あと、携帯ゲーム機向けに割り込みや省電力の機能が充実しているとか。

シャープの初代のPIシリーズのザウルスにサブCPUとしてZ80が使われているというのを思い出した。
シャープのG800シリーズのポケコンもZ80だったかな。
ポケコンとかPDAに使うことができるくらいには省電力のZ80をシャープは作っていたということみたいだ。